「定時は18時だけど、みなし残業があるのを忘れるなよ!」
こんなことを上司に言われて、モヤモヤしていませんか?

定時は過ぎて業務も終わっているのに、気まずくて帰れない…



先輩も上司もまだ残ってるから私も合わせて残業してしまう…
でもこれ、みなし残業があるからその分残らないといけないのか…?
結論から言います。
みなし残業(固定残業代)があっても、定時退社は権利です。
定時で帰ることに怒ったり文句を言う上司の方が間違っています。
上司の何が間違っているのか?みなし残業とは一体・・・
この記事では、みなし残業制度についてをわかりやすく。
また定時退社を怒ることがパワハラになるかどうか・怒られたときの具体的な対処法を解説します。
あなたがみなし残業について



みなし残業って…なんか変
と感じたその直感は、正しいです。
① そもそもみなし残業(固定残業代)とは何か
まず制度の話を簡単に整理します。
みなし残業(固定残業代)とは、
あらかじめ一定時間分の残業代を毎月の給与に含めて支払う制度です。
「月30時間分の残業代は給与に含む」という形で求人票や雇用契約書に記載されているケースが多いです。
ここで多くの人が誤解しているのが、次の点です。



みなし残業代が給料に含まれてるから、その分残業する必要がある。
実はこれ…完全な誤解です。
みなし残業は「もし残業が発生したとき、その残業代の一部をあらかじめ支払っておく制度」であって、
「残業する義務が生まれる制度」ではありません。
業務が定時内に終わったなら、定時で帰って問題ありません。
それが法律の正しい解釈です。
もう少し具体的にわかるやすく説明すると、
みなし残業時間(たとえば月30時間分)をあなたが残業しなかった場合でも、
会社はその分の給与をあなたの給与から差し引くことはできません。
逆に、
あなたがみなし残業時間を超えて働いた場合は、会社側には超過分の残業代を別途支払う義務があります。
つまりみなし残業は「会社が残業をあらかじめ買い取る制度」ではなく、
「残業が発生したときの支払い方法のひとつ」に過ぎないんです。



みなし残業代をもらっているから残業しなければならない
という考え方は、みなし残業の制度の趣旨と真逆です。
② 定時退社で怒られるのはなぜ?(原因の整理)
みなし残業の制度を正しく理解したうえで、
なぜみなし残業がある会社で定時で帰ると上司が怒るのか?
原因はだいたい3つに絞られます。
上司がみなし残業制度を正しく理解していない
みなし残業の制度って、意外とちゃんと理解している人が少なかったりします。
なのでそもそも上司がみなし残業の制度を理解していなくて、
その日の業務をちゃんとこなしているにも関わらず、定時で帰ることに怒っているケースが多いです。
実際、自分が以前勤めていた会社でも社長が、
「みなし残業代を払ってるから毎月その分は残業しろ!」
なんてことを言いだしたこともありました。笑
「残業=頑張っている」という昭和的な空気が職場に残っている
いまだに、
長時間働いている=頑張って仕事をしている
という風潮が一部の会社に残っているのは事実です。
定時退社することで「アイツはやる気がない!」と思う昭和な上司も今でもいたりします。
だから定時退社する若い社員に怒ったりすることも。
業務量が少ないと思われている。
周りが残業をしている中、定時退社をしてしまうと
「アイツは業務量が少ない」
なんて思われることも。
効率的に業務をこなしているにも関わらず、そんな定時に帰るあなたを上司が見て、
他の残業している社員に公平感を見せつけるために、定時に帰ることに対して怒る。
というのもよくあるパターンです。
忙しそうにしているだけで何しているのかわからないという人もいますが(笑)
効率よく業務をこなしている人に対して「業務量が少ない」と思う人がいたりもするのです。
こういう上司、いますよね。定時で帰ろうとしただけで嫌味を言われる。でも実は、この上司の言い分は法的にまったく通らないんです。
激オジくんの動画でも、まさにこのシーンを再現しています。
③ みなし残業で定時退社して怒られるのはパワハラになるのか?【核心】
ここが一番重要なポイントです。
結論:状況によっては、パワハラになります。
パワハラになりうるケース
以下のような状況は、パワハラ防止法(労働施策総合推進法)の「精神的な攻撃」「過大な要求」に該当する可能性があります。
- 業務が終わっているのに「みなし分働け」と繰り返し責める
- 定時退社を嫌味・皮肉で責め続ける
- 「評価を下げる」「査定に影響する」と脅す
業務指導の範囲内と見られるケース
一方で、以下のような場合は、すぐにパワハラとは言えないケースもあります。
- 業務が終わっていない・引き継ぎができていない状態での退社
- 残業命令が正式に出ている(36協定あり・就業規則に明記されている)
- 一度注意する程度
法的根拠
みなし残業制度のもとでも、会社が残業を命じるには36協定の締結+就業規則への残業規定の明記が必要です(労働基準法第36条)。
正当な手続きなく「みなし残業があるから残れ」と強要することは違法になりうります。さらに、その強要を感情的な言動で行えばパワハラ防止法違反となる可能性もあります。
「みなし残業を払っているんだから」という主張は、法的な根拠にならない、ということです。
また、「評価を下げる」「査定に影響する」といった発言は、不利益をちらつかせた脅しにあたる可能性があります。一度言われただけでも記録しておくことをおすすめします。繰り返されるようであれば、パワハラとしての証拠として使えます。
④ みなし残業なのに定時後に会議を入れられるのは?
「定時後に会議を強制的に入れられる」という状況も、みなし残業の現場ではよくある悩みです。
この場合、36協定が締結されており就業規則に残業規定がある場合は、定時後の会議命令自体は適法な場合もあります。
ただし、重要なのが残業代の扱いです。
- みなし残業時間の範囲内であれば、追加支払いは不要
- みなし残業時間を超えた分は、追加で残業代を支払う義務がある
- 「会議だけ強制して残業代を払わない」はみなし残業の範囲内でも問題になりうる
「定時後に会議があるのに残業代が出ない」という状況なら、まず自分の雇用契約書でみなし残業の時間数を確認してみてください。超えていれば、追加支払いを求める権利があります。
⑤ 怒られた・強要されたときの対処法【3ステップ】
「おかしい」とわかっても、どう動けばいいか迷いますよね。3段階で整理します。
レベル1:自衛(今すぐできる)
まず、証拠を残すことが最優先です。
- 怒られた日時・発言内容・状況をその日のうちにメモする(手帳でもスマホのメモアプリでもOK)
- LINE・メール・チャットでの発言はスクリーンショットで保存する
- 退社前に「本日の業務は完了しています」と一言伝える習慣をつける(口頭でも、できればメール・チャットで)
証拠があれば、あとで動けます。まずここから始めてください。
レベル2:制度を確認・匿名で相談する
- 就業規則・雇用契約書でみなし残業時間と残業命令の規定を確認する(残業命令の根拠が書かれていない場合、強要自体が違法の可能性)
- みなし残業時間を超えた残業が発生している場合は、追加残業代を請求できる
- 匿名で相談する:労働条件相談ほっとライン 0120-811-610(無料・匿名OK)
「自分の状況がパワハラに当たるか」を相談するだけでもOKです。ハードルは低いです。
レベル3:それでも改善しない場合
- 人事部・コンプライアンス窓口へ申し立てる
- 労働基準監督署に相談・申告する
- 転職も、正当な選択肢のひとつです
「みなし残業があるから残業しろ」が当たり前になっている職場は、構造的に問題を抱えていることが多いです。改善を求めても変わらない場合は、新しい環境に移ることも自分を守る立派な選択です。
転職は「逃げ」ではありません。おかしい職場環境から距離を置いて、まともな会社で働き直す。それは前向きな判断です。まず情報収集だけでも、動き始めることで気持ちが楽になりますよ。
転職を考え始めたなら、まず情報収集から始めてみてください。
まとめ
- みなし残業があっても「定時退社の義務はない」が正しい理解
- 業務が終わっているのに怒る・嫌味を言う上司は、パワハラになりうる
- 定時後の会議命令は条件次第で有効だが、みなし時間を超えた分の残業代支払いは必要
- 怒られたら記録を残す・匿名相談窓口を使う
- 改善しない職場なら、転職も正当な選択肢
あなたは悪くありません。制度を正しく理解して、自分の権利を守ってください。
まずは記録を残すこと。そして一人で抱え込まずに、匿名相談窓口を使ってみてください。それだけで、次の一手が見えてきます。
【無料で相談できる窓口】
- 労働条件相談ほっとライン:0120-811-610(無料・匿名OK)
- 総合労働相談コーナー:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

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